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落花生のなり方 |地中に実がなる!ピーナッツとの違いは?

落花生(ラッカセイ)は、南アメリカのボリビア南部、アンデスの東?麓あたりが原産で、マメ科の一年草です。

日本には江戸時代初期に中国から入ってきたといわれています。

英語では落花生を、peanut、またはgroundnutと言います。

落花生は、エンドウマメやインゲンマメなどの豆の仲間ですが、他の豆類とは異なるユニークな実のなり方をします。

ここでは、落花生の実のなり方について記載しています。

落花生のなり方

ラッカセイは、漢字で落花生と書きますが、これは花が落ちるようにして地中で実を生むことに由来しています。

落花生の花は他の植物と同じように地上で咲き、花粉がメシベについて自家受粉します。

メシベの下部には、成長すると実になる子房があります。

受粉が終わると花はしぼみ、1週間くらいすると、子房と花托との間の子房柄(しぼうへい)が地面に向かって伸び始めます。

子房の先端が地面につくと、そのまま地下に潜り込み、子房の先端が地中数センチのところで、サヤや実を作ります。

子房が発育して、サヤや実ができるためには、水分と暗闇の環境が必要です。

水分がなかったり、明るいところでは、子房柄のまま残るか、あるいは枯れてしまいます。

水分と暗闇以外に、土に潜る時の抵抗も必要です。

植物は機械的な刺激によって、植物ホルモンの一種のエチレンを生成しますが、サヤや実を作るためには、土に入る時の土の抵抗によって生成されるエチレンも必要です。

このため、落花生を栽培する時の土壌は子房が入れないような硬い地面ではダメですが、柔らか過ぎてもダメなのです。

落花生を植木鉢で育て受粉した後、伸びてきた子房柄を植木鉢の外に出してみるとおもしろい現象が起こります。

子房柄は、いくら下に向かって伸びても地面に届かないため、本来ならば、地面に届いている長さにまで伸びきると、そこで成長をやめてしまい、最後には、実をつけないまま枯れてしまいます。

これは、子房が発育して、サヤや実ができるための環境が整わないためです。

地下に潜った子房柄は、地下に入って、5日ぐらい経過してから、サヤや実を作り始めます。

そして、地中に入ってから70~80日で、落花生の形になります。

サヤの表面には網目状の凹凸があり、これを維管束といい、茎からの水分や養分は、この維管束を通って、サヤ全体やその中にある実に運ばれていきます。

サヤ全体に網目状の凹凸がハッキリと見えたら、落花生が成長した合図となります。

このサヤは熟して乾燥すると、堅い殻となり、長さは2~5cm ほどで、通常、中には 2 個、品種によっては 1~3個の実が入っています。

落花生のように、子房の部分が膨らんで、地中で殻付きの実を作ることを地下結実性と言います。

地下結実性のマメ科の植物は、落花生の他に、バンバラマメやゼオカルパマメなどがあります。

落花生の繁殖

地中に埋まっている落花生の実は、どのようにして生息域を広げていくことができるのでしょうか。

落花生のサヤは、熟すと乾燥して固くて軽くなり、内部が空洞なので、比重が軽く水に浮くことができます。

落花生は、野生の状態では雨が降って川となり、川が土を削り流し、土の中の落花生の種子が遠くへ運ばれていき、繁殖してきたのだろうと考えられています。

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落花生とピーナッツの違いは?

私たちがピーナッツとして、食べる実は、落花生の種子です。

一般、被子植物は種子に栄養を蓄えた胚乳を備えています。しかし、落花生の種子は、胚乳を持たない無胚乳種子です。

落花生は発芽して最初に開く子葉が発達しています。

発芽のために必要な養分は、胚乳の代わりに子葉に蓄えられていて、私たちが食べる部分は種子の子葉部分にあたります。

落花生は、実だけでなく、木やサヤなど植物の総称を表す場合に使用されるのに対し、ピーナッツは落花生の実の部分だけをあらわす場合に使用されています。

まとめ

落花生は、受精が終わって花がしぼむと、めしべの下にある子房柄が下へと伸び、その先端が地面に届くと地中へと潜っていき、地中で子房が膨らんで実となるという、ユニークな育ち方をします。

子房はふくらんで、サヤや種子になり、私たちが食べるピーナッツは種子の子葉部分にあたります。

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