PR
スポンサーリンク

クジャク(孔雀)はなぜ羽を広げるの?|オスの求愛行動

動物園に行ったとき、クジャク(孔雀)が羽を広げているのを見て、きれいだと思ったことはありませんか?

ここでは、クジャクが羽を広げる理由や羽がなぜ美しいのかなどを記載しています。

クジャクはなぜ羽を広げるの?

クジャクの美しい飾り羽をもつのはオスだけで、メスの羽はそれよりずっと地味な色をしています。

クジャクのオスの飾り羽は、尾羽のように見えますが、腰の羽で、広げると、長さ140~160cmもあります。

クジャクのメスが近づいてくると、オスは飾り羽を扇のように大きく広げ、素早く震わせてザワザワと大きな音を立てます。

これは、オスのメスに対する求愛行動です。

単に美しいばかりでなく,羽根を必死に震わせて一生懸命メスにアピールしているのです。

クジャクの飾り羽は、1年中いつでも見られるわけではなく、繁殖期の間だけ見ることができます。

実は、クジャクの羽は毎年新しく生え変わります。

7月頃になると段々羽が抜け始め、11月頃には全くなくなってしまいます。

そして、12月頃から新しく生え始め、次の年の繁殖期の3月から6月にかけて一番美しくなるのです。

クジャクの羽はなぜ美しい?

オスの飾り羽が美しいのは、長い間、メスが美しい羽のオスを選んできたからだと考えられています。

メスが、美しい羽のオスだけを選んで交尾し、子どもを残してきたため、オスの飾り羽はますます美しくなり、今では生活のじゃまになるほど立派な羽をもつようになったということです。

野生界において、オスのクジャクの美しく大きな羽は、天敵である動物からは見つかりやすく、逃げるときは重くてじゃまになります。

オスの大きな羽は毎年生え変わり、生存にかかるエネルギーコストは大きくなり、どう考えても生存する可能性を下げていると考えられます。

これは明らかに自然選択(自然淘汰)の理論に反しています。

自然選択の理論というのは、生物が生存競争を繰り広げる結果、より環境に適応した形質が進化してくるというダーウィンの理論です。

ダーウィンはこのような形質が進化するには自然選択とは異なる別の仕組みが働いていると考えました。それが性選択(性淘汰)の力です。

有性生殖をする生物は、自分の遺伝子を次の世代に残すには、相手となる配偶者が必要です。

いくら生存力が強くても配偶者がいなければ、その個体の遺伝子を次世代に伝えることができません。

逆に多くの配偶者を獲得することができればその個体は多くの子孫を残すことができます。

このように配偶者を獲得するのに有利なように形質が進化することが性選択です。

スポンサーリンク

オスの羽の目玉模様も進化の結果

クジャクの飾り羽は、先端に目玉模様がついていてとても大きく、あざやかな青色をしています。

ある研究チームが、クジャクのゲノムを解析したところ、この模様は何度も進化と退化をくり返していたことがわかりました。

これはクジャクのメスの好みが時代によって変化し、それにともなって、性選択の結果、オスの羽の目玉模様が変化しているということです。

クジャクの羽の色

クジャクの羽の色は、羽自体の色素によるものではありません。

クジャクの羽の色は、シャボン玉の色やコンパクトディスクの色、貝殻の内側の真珠色などと同じ仕組みによる色です。

クジャクの羽の色は干渉色と呼ばれます。

干渉色の特徴は、見る角度によって色が変わって見えることで、クジャクの羽の色は見る角度によって変わってきます。

クジャクの羽の中心に羽軸と呼ばれる軸があり、それに羽枝と呼ばれる枝のような構造が付いています。

羽枝には、幅が20μm程度の小羽枝という毛が生えていて、この断面は、メラニンという黒色の色素でできた顆粒が格子状に並んでいます。

クジャクの羽根の色はメラニン顆粒が格子状に並ぶことにより、当たった光が干渉してつくられたものなのです。

クジャクは飛べるの?

クジャクのオスが持っている羽は、上尾筒(じょうびとう)と呼ばれ、オスがメスに求愛するための羽です。

この上尾筒に隠れて、風切羽という羽ももっていて、クジャクは、この風切羽を使って飛ぶことができるのです。

クジャクをペットとして飼育できるの?

クジャクは、インドクジャク、マクジャク、コンゴクジャクの3種類があります。

これらのち、マクジャク、コンゴクジャクは、ワシントン条約により、取引が厳しく規制されているため、個人で飼育することは難しいです。

インドクジャクは捕獲の規制が行われていますが、ペットショップなどで入手可能です。

飼い方はニワトリとほとんど同じですが、クジャクはニワトリより体が大きいので、広い場所が必要です。

複数で飼う場合は、オスを複数飼うとケンカが起きやすいのでやめたほうがよいです。

食性は雑食性で、昆虫、植物の葉、果実、種子など、なんでも食べます。

クジャクは毒に対する耐性をもっていて、毒蛇や毒虫に噛まれたり、刺されたり、食べても大丈夫です。

クジャクは、性格が攻撃的で人になつきにくいため、飼育は難しいです。

このため、途中から飼育を放棄することがないように、飼育するにあたっては覚悟が必要です。

まとめ

クジャクが羽を広げるのは、オスがメスに対する求愛行動です。

クジャクのオスの羽が美しくて大きいのは、長い間、メスが美しい羽のオスを選んできたからだと考えられています。

これは、ダーウインの性選択(性淘汰)により説明付けられます。

タイトルとURLをコピーしました