私たちにとって地球は身近な存在ですが、地球の半径、一周の距離など、その大きさについては、意外と知らないのではないでしょうか。
本記事では、地球一周の距離、移動するのにかかる時間や地球の大きさの測定方法などについて記載しています。
地球一周の距離は何キロメートル?
地球は丸いですが、正確な球体ではありません。
最近の正確な測定によると、地球の半径は、地球の中心から赤道までの距離が6378kmであるのに対して、地球の中心から北極や南極までの距離は6357kmとなることが分かっています。
地球一周の距離=2×地球の半径×円周率
ですから
赤道の距離=40075km
北極と南極の2点を通る距離=40009km
となり、地球一周の距離は約4万kmです。
このように赤道付近の距離が北極と南極を通る距離よりがやや伸びているのは、地球が北極と南極とを結ぶ回転軸を中心に自転していて、その遠心力の影響を受けているためです。
地球一周するのにかかる時間
徒歩
地球一周の約40000kmを時速4kmで休むことも寝ることもせずに歩き続けたとすると、
40000km÷4km =10000時間=416.7日=約14ヶ月
と約14ヶ月もかかります。
新幹線
時速300kmの新幹線で地球を一周すると
40000km÷300km=133.3時間=約5.5日
と5日半で地球一周します。
光
光の速度は時速30万kmなので、4万kmの地球一周をするのに
4万km÷30万km=0.13秒
と、一瞬で地球を一周してしまいます。
地球の自転速度
地球は1日に1回自転しているので、24時間で4万km動いたことになります。
4万km÷24時間=1666.7時間
となり、地球の自転速度は新幹線の最高時速300kmの約5.5倍になります。
このような速いスピードで地球は回転していますが、私たちはそれをまったく感じていません。
これは、地球といっしょに、人間をはじめ、周囲の空気やものが同じスピードで動いているからです。
世界で初めて地球一周の距離を測定した人
世界で初めて地球一周の距離が測定されたのは、紀元前240年頃のことです。
ギリシア人の天文学者で数学者でもあったエラトステネスという人が測定しました。
エラトステネスは、毎年、夏至の日の正午になると、エジプトのシエネという町で太陽が真上にくるのと同じ時刻に、シエネから真南に925km離れたアレキサンドリアでは、地上に棒を立てたその影の長さから太陽の角度は真上から7.2度ずれていることが分かりました。
ギリシア人はその当時から、太陽は地球から非常に遠いところにあり、地球は丸い球体であると認識していました。
エラトステネスはシエネとアレキサンドリアの距離925kmは、
地球の北極と南極を通る大円の円周の1/50 (=7.2/360)に相当すると推定し、地球1周の長さを925×50=46250kmと算出しました。
これは40000kmに対して約16%という当時としては驚くべき小さな誤差でした。
地球一周の距離を正確に求める方法
現在では、人工衛星、レーザー光を使ったり、GPSを使ったりして地球の半径を求め、そこから地球一周の距離を求めることができます。
人工衛星とレーザー光を使う方法
人工衛星は、地球からの重力と遠心力とのバランスが取れた状態で、地球の周りを回っています。
地球の中心から人工衛生までの距離は、人工衛星の速度や地球の質量から計算することができます。
地上から人工衛星までの距離は、地上から人工衛星に向けてレーザー光を発射し、それが跳ね返ってくるまでの時間を調べることで、距離を計算できます。
地球の中心と人工衛星までの距離から地上と人工衛星までの距離を引けば、地球の半径が計算できます。
GPSを使う方法
もっと手軽な方法として、GPSを使う方法もあります。
南北にある距離離れた2地点の緯度をカーナビを使って測定し、その2点間の距離を地図などで実際に測定することで、エラトステネスと同様の方法で地球一周の距離を計算することができます。
地球一周の距離4万kmはなぜ端数が小さいの?
地球一周の距離が4万kmと端数がないのは、メートルの単位が地球の周囲の長さを基に決められたからです。
メートルという単位は、18世紀の終わり頃のフランス革命の中で生まれました。
それまでは各国毎に、長さの単位は異なっており、非常に不便な状況にあり、統一した規格を作ろうということになりました。
新しい単位は、全地球上の誰もが認める普遍的なルールをもとに定められる必要があるので、地球を基準にしました。
北極からフランスを通って赤道までの距離を測定し、それを4倍にしたものを地球1周の距離として、それを4000万分の1にしたものを「メートル」と定義したのです。
以上の理由により、地球1周の距離は4万kmと端数のない距離になっているのです。
メートルの定義はその後変更されて、「1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さである」という風に定義し直されています。
まとめ
本記事では、地球一周の距離、移動するのにかかる時間や地球の大きさの測定方法などについて記載しました。