突然「+991」から始まる見知らぬ国際電話の着信に不安を感じたことはありませんか?
近年、「+991」の番号を使った国際電話詐欺が急増しており、その多くがスプーフィングと呼ばれる番号偽装の手口によるものです。
この記事では、+991番号の正体や詐欺の手口、通話料の仕組み、さらに電話に出てしまった際の具体的な対処法について解説します。
「もしかして大事な連絡かも」と出てしまう前に、この記事でしっかりと知識を身につけておきましょう。
+991からの電話は100%詐欺!出てはいけない明確な理由とは
+991から始まる電話番号からの着信に驚いた方もいるかもしれません。
この番号は現在、正式には使われていないため、信頼できる連絡先である可能性は非常に低いです。
なぜこのような番号から電話がかかってくるのか、その理由を詳しく解説します。
まず前提として、+991という番号は「国際電気通信公衆通信サービス(ITPCS)」で一時的に使われていたもので、すでに2021年に利用が終了しています。
つまり、現在この番号を使って発信している人がいるとすれば、その番号は偽装されているということになります。
このように、存在しない国際電話番号を用いた着信は、詐欺の可能性が極めて高いです。
実際に使われていない番号からの電話は、相手がアプリや不正なSIMカードを使って番号を偽装していると考えられます。
この手法は「スプーフィング」と呼ばれ、近年、詐欺やなりすましに多く利用されています。
番号の見た目だけでは発信者を判断できないため、少しでも怪しいと感じたらすぐに切ることが大切です。
+991からの着信はすべて詐欺であると断言できます。
公式な利用がされていない番号であること、スプーフィング技術によって偽装されている可能性があることから、安全のためには絶対に出ないようにするべきです。
相手の指示に従ってしまうと、個人情報の流出や金銭的な被害に発展する恐れもあります。
折り返し電話は絶対NG!高額請求に繋がる危険な仕組み
+991からの着信に出てしまった後、気になって折り返しを検討する方もいるかもしれません。
しかし、この行動こそが詐欺グループの狙いであり、被害のきっかけになります。
知らずにかけ直すことで、予期しない高額な通話料を請求される危険があるのです。
まず、+991からの電話に出るだけでは日本国内の通信制度上、通話料は発生しません。
日本では発信者が通話料を負担する仕組みとなっており、着信側は料金を請求されることはありません。
そのため、出てしまったとしても料金面での不利益は基本的にありません。
一方で、折り返し電話をかけると話は変わります。
現在使われていない+991番号に電話をかけると、通信が別の番号に転送されることがあります。
その転送先が有料の国際電話回線だった場合、非常に高額な料金を課される仕組みになっています。
詐欺グループは、あえて短時間の不在着信を残し、好奇心や不安をあおって折り返しを誘導するケースが多く見られます。
「あとでかけ直します」「折り返し番号を教えてください」などと言われても、無視することが最善の対策です。
一度でも折り返しをしてしまうと、番号がアクティブであると認識され、再びターゲットにされる可能性もあります。
なぜ自分に+991から電話が?詐欺師が狙う3つの理由
+991からの着信を受けたとき、「なぜ自分に?」と疑問に思う方は少なくありません。
実際には、特別な理由がないケースも多い一方で、注意が必要な背景が存在します。
ここでは、主に3つの理由について解説します。
無作為にかけているだけのケース
多くの詐欺電話は、自動ダイヤルシステムを使って無作為に発信されています。
電話番号がランダムに選ばれており、特定の個人が狙われているとは限りません。
そのため、過剰に心配する必要はありませんが、着信には出ないことが基本的な対処法です。
過去の被害で「カモリスト」に登録されている可能性
過去に詐欺被害にあった経験がある方、または一度でも詐欺電話に出たことがある方は、詐欺師の間で「カモリスト」と呼ばれる名簿に登録されている可能性があります。
このような名簿は闇ルートで売買され、新たな詐欺のターゲットとして利用される危険があります。
心当たりがある場合は、特に慎重な対応が求められます。
アポ電強盗の下調べで狙われている可能性も
詐欺電話の中には、金銭的な被害にとどまらず、物理的な犯罪に発展する例もあります。
特に「アポ電強盗」と呼ばれる手口では、電話を通じて在宅状況や資産情報を探り、後に実際の強盗が行われる危険があります。
「ご家族はいますか?」「高価なものはありますか?」といった質問には一切答えず、すぐに電話を切ることが重要です。
電話に出てしまった時の正しい対処法5ステップ
万が一、+991からの電話に出てしまった場合でも、冷静に対応することで被害を防ぐことができます。
ここでは、出てしまった後にすべき基本的な対処法を5つのステップに分けて紹介します。
焦らず順に実行して、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。
①すぐに電話を切る
内容に関わらず、+991という番号が表示された時点で不審な電話だと考えて差し支えありません。
相手の話を聞き続ける必要はなく、早い段階で通話を終了することが最も安全です。
相手の口調や話の内容に惑わされず、通話を続けないように心がけましょう。
②番号をブロックする
着信履歴に残った番号は、スマートフォンや電話機の機能を使ってすぐにブロック設定を行ってください。
ただし、詐欺グループは発信元の番号を毎回変更する傾向があるため、すべての不審な国際番号に対して同様の対応が求められます。
ブロックは完全な防御ではありませんが、次の被害を防ぐ第一歩です。
③個人情報を絶対に伝えない
たとえ相手が銀行や警察を名乗ったとしても、その正当性は保証されません。
名前、住所、家族構成、財産の有無など、個人に関わる情報を伝えることは避けてください。
特に一度でも情報を話してしまうと、今後さらに深刻な詐欺被害に発展するリスクがあります。
④警察に情報提供を行う
被害が発生していなくても、詐欺が疑われる電話があった場合は、最寄りの警察署や警察相談専用ダイヤル「#9110」に連絡しましょう。
情報提供は他の被害者を未然に救う手段にもなります。
特に手口や話の内容を記録しておくと、後の調査に役立ちます。
⑤家族や知人にも注意喚起する
高齢者や一人暮らしの方がいる家庭では、同じような詐欺被害に遭わないよう事前の共有が重要です。
自分が経験したことや得た知識を家族や知人と話し合い、警戒意識を高めるようにしましょう。
こうした情報共有が被害の連鎖を防ぐ一助となります。
詐欺を防ぐために今すぐできる対策とは
+991からの電話だけでなく、あらゆる詐欺のリスクを減らすには、日頃からの備えが重要です。
スマートフォンや固定電話の設定を見直すことで、詐欺被害の可能性を大きく下げることができます。
ここでは、すぐに実行できる基本的な対策を紹介します。
スクリーニング機能付きスマホで自衛する
最近のスマートフォンには、着信時に相手の情報を自動で確認し、不審な電話を検出してくれるスクリーニング機能が搭載されている機種があります。
たとえばGoogle Pixelシリーズでは、相手の名前と用件を自動音声で確認し、不審な場合は通話を拒否できます。
このような機能を活用することで、詐欺電話に出てしまうリスクを減らせます。
固定電話は防犯機能付きの機種を活用
固定電話を利用している場合も、防犯対策は重要です。
着信時に警告メッセージを再生したり、非通知・国際番号のブロック機能がある電話機を導入すると、詐欺電話の着信を事前に防ぐことができます。
特に高齢者のいる家庭では、こうした機能付き電話機の導入が有効です。
「+」から始まる不審な番号はすべて拒否設定に
国際電話の番号は「+」記号から始まっているのが特徴です。
見覚えのない国際番号からの着信は、原則として出ないようにするか、電話機の設定で着信拒否しておくことをおすすめします。
警察庁の調査でも、特殊詐欺に使われる電話番号の約7割が国際番号であることが報告されています。
+991以外にも要注意!詐欺に使われやすい国際電話番号一覧
詐欺電話に使われるのは+991だけではありません。
その他の国際電話番号を悪用した手口も多数確認されており、日頃から意識しておくことが大切です。
ここでは、特に注意したい国番号をいくつか紹介します。
スリランカ、チェコ、リヒテンシュタイン、アメリカの偽装例
たとえば、+94はスリランカ、+420はチェコ、+423はリヒテンシュタイン、+1はアメリカやカナダに割り当てられた国番号です。
これらの国番号に見せかけた偽装番号が使われるケースがあり、実際にはまったく無関係な場所から発信されていることもあります。
国番号だけで安全か危険かを判断するのは難しいため、見知らぬ国際番号には基本的に出ないことが安全策です。
+800のユニバーサル番号も悪用対象に
+800という番号は、ユニバーサル国際フリーフォンと呼ばれるもので、本来は無料で利用できる国際共通のフリーダイヤルです。
しかし、最近ではこの番号を偽装して詐欺に悪用するケースも報告されています。
フリーダイヤルだからといって安心せず、内容や話の流れに不審な点があれば、すぐに通話を切るようにしましょう。
SMS・メール連携型の複合型詐欺にも注意が必要
近年の詐欺は、電話だけでなくSMSやメールと組み合わせた複合的な手口へと進化しています。
突然届く不安をあおるメッセージと、不審な電話が連携して行われるケースが増加しています。
こうした詐欺は信頼感を演出し、相手をだます手法として非常に効果的です。
まずSMSで不安を煽り、次に電話でだましにかかる手口
典型的な例として、最初に「あなたの口座が不正利用されています」「カードが停止されました」といったSMSが届きます。
その直後に+991などの国際番号から電話があり、本人確認や対応を促す内容が伝えられることがあります。
SMSと電話を連携させることで、より本物らしさを装って信頼させようとする手口です。
怪しい連絡はすべて無視し、正規番号に自分から確認を
こうした連絡が来た場合は、まず公式サイトなどで本来の連絡先を確認し、自分から問い合わせることが大切です。
相手の言う番号やリンクを安易に信用せず、必ず自分で検索して確実な情報源を確認しましょう。
不安にさせる内容であっても、焦って行動しないことが被害防止の第一歩です。
+991電話番号詐欺のリスクと対策を徹底解説まとめ
ここまで、+991からの電話がなぜ危険なのか、どのような手口が使われているのかを解説してきました。
結論として、+991は現在使われていない番号であり、着信があった場合は詐欺と判断するのが最も安全です。
相手の言葉を信じて対応することで、金銭的・個人情報的な被害に発展する可能性があります。
電話に出るだけで通話料が発生することはありませんが、折り返し通話をすると高額な料金が発生する場合があります。
また、個人情報を聞き出されることもあるため、通話はできる限り避けるべきです。
出てしまった場合も、すぐに電話を切り、番号をブロックし、警察に相談するという行動を徹底してください。
さらに、SMSやメールと組み合わせた複合型の詐欺、スプーフィングによる偽装番号など、詐欺の手口は日々進化しています。
普段から「見知らぬ番号には出ない」というルールを意識することで、こうした被害を未然に防ぐことができます。
自分と家族の安全を守るためにも、日頃からの警戒と情報共有を心がけましょう。